ねずみ駆除に必要な知識 ②　まず敵を知る！

■家ねずみの恐ろしい繁殖力！■

家ねずみと呼ばれるクマネズミ、ドブネズミ、ハツカネズミの3種は、少なくとも1年に5回以上、子ねずみを産みます。いずれも妊娠期間は20日程度と短く、わずか1年で子ねずみの数は30～60頭にもなります。これ、たった1頭のお母さんねずみからです…。その子ネズミが成人して子供を産むと…これが本当のねずみ算式に増える、ですね！

衛生動物の管理には、対象生物の生息密度に応じて 許容水準 ＜ 警戒水準 ＜ 措置水準 の3段階^※が設定されていますが、ねずみ管理の場合は1頭の存在すらも認められないとされています。ねずみの繁殖力を鑑みるとやむを得ないですね…。

※　衛生動物の管理は原則として6ヵ月以内に1度、発生の多い場所では2ヵ月に1度、定期的な調査を継続する必要があり、調査から得られる捕獲指数などを基に維持管理目標の水準を以下の3段階に定めています。

■家ねずみの食性～ゴキブリ駆除もネズミ駆除の第一歩！

繁華街を徘徊するドブネズミは雑食性で、生ゴミをあさるほかミミズやゴキブリなど動物質を特に好んで食べます。餌に3日間ありつけないと自分より弱い個体を襲って共食いします…。

クマネズミ、ハツカネズミは植食性で、植物のタネや果実、穀類を好んで食べるほか、ごく稀にゴキブリも餌とします。

このため、餌となる食品類の管理やゴキブリの駆除はねずみ対策につながります。

■水を欲しがるドブネズミ・渇きに強いハツカネズミ

動物質を好むドブネズミは消化に水分を多く必要とするため、渇きに弱いです。

クマネズミもドブネズミほどではないものの縦横無尽に垂直行動して走り回るため、渇きには強くありません。

一方ハツカネズミは腎機能が高く、水分の再吸収能力に優れているため、渇きに強いです。

このため、水まわりの水滴をこまめに拭いたり、シンクに蓋をしたりして水を絶つことはねずみ対策につながります。飲食店舗では、厨房機器の排水垂れ流しや床面の水溜りを改善することでねずみの定着を回避または軽減できます。

■クマネズミはスパイ並みの警戒心！

クマネズミは警戒心が非常に強く、忌新性（きしんせい）という、初めて見るものを避ける習性をもつため防除は困難を極めます…。その警戒心の指数は、ハツカネズミを1.0とすると、ドブネズミでは4.5、クマネズミではなんと13.5とダントツの警戒心です。

このためクマネズミの防除では、粘着トラップやねずみ駆除剤を素手で触らない、タバコや汗の臭いの付いた作業着を使用しない、など細心の注意をはらって対策する必要があります。もちろんほかのねずみでも上記のことは気をつけた方が良いです。

■水陸両用のドブネズミ・アスリート並みのクマネズミ

ドブネズミは遊泳力に優れ、下水をくぐっての移動も可能です。トイレなどの排水トラップなんかも簡単に潜り抜けてしまいます。

クマネズミは登坂力に優れ、壁を登り電線を伝う垂直行動を得意とするため、移動能力に長けています。

跳躍力は ハツカネズミ 30cm ＜ ドブネズミ 70cm以上 ＜ クマネズミ 150cm以上であり、さすがは身体能力の高いアスリートなクマネズミ、防除が難しいわけです…。

このため粘着トラップはドブネズミの濡れた足や、クマネズミの跳躍力を考慮して配置する必要があります。

■寒さに強いドブネズミ

寒さには、シベリア原産のドブネズミが最も強く、東南アジア原産のクマネズミとハツカネズミは弱いです。

■ムム！臭う！家ネズミの臭いはこれだ！

ドブネズミは動物質の餌を好むため体臭が強烈！加齢臭に似た不快な臭気がします。

往来頻度が低い場合はさほど臭いませんが、活発な場所では即座に感知できるほど臭います。

クマネズミは壁や柱を登り走り回るため汗臭く、往来の活発な場所では鼻を突く酸っぱい汗臭さを感じます。

ハツカネズミの体臭はほとんど感じませんが、おしっこの臭いが強調されて臭います。

家ねずみの体臭による種の判別は経験を積むことで自然と体得でき、飲食店に入店する前に感知できるようになります。特異な特技として極めてみてはいかがでしょうか？（入れるお店が減ってしまう、という副作用がありますが）

株式会社タニサケでは主力のゴキブリキャップだけでなく、実は、ねずみ駆除剤も開発しています。

ペットや環境毒性にも配慮した製品を取り揃えていますので、ぜひご覧の上、ご検討頂けましたら幸いです。