あなたの知らない
虫の世界をプロが教えます!
タニサケの コラム

毎月5日は虫コラム。あなたの知らない虫の世界をプロが教えちゃいます!

マンションにおけるゴキブリさんの侵入経路とは?

ゴキブリ
マンガ 住宅侵入

独り暮らしを始める方にとって、ゴキブリさんとの対決は、なんとしても避けたい深刻な悩みの一つです。なかなか相談することもできず、只々毎日を怯えて過ごすのは大変です。

気密性の高いはずのマンションで、なぜゴキブリさんは出没するのでしょう?

実は、建物の内部構造や周辺環境に、ゴキブリさんが顔を出す理由があったのです。

マンションの場合、躯体構造は分厚いコンクリートで各部屋もブロック状に仕切られており、上下左右、前後とも部屋は独立しています。

では、どこにゴキブリさんはいるのでしょう?

なぜ堅牢なマンションにゴキブリが?!

2016年以降に建築された築年数の新しいマンションでは、その全てではないものの、空調ダクト、CD管(電線管)、給排水管などのパイプスペースは、外部環境と接する場所を気密パッキンや座金、防鼠(ぼうそ)パテなどで隙間が封鎖されており、ゴキブリさんのみならずネズミさんも侵入できなくなっています。

これら防虫・防鼠構造は近年になってようやく整備されたため、築年数の古い建物では、博物館や美術館を除いてこのような配慮はされていません…。

このため、マンションであっても空調ダクトや電線管、給排水管などが通るパイプスペースはゴキブリさんやネズミさんの格好の侵入経路となっているのです。

マンション内の住戸にゴミ屋敷が1室でもあると、そこを拠点に配管などのパイプスペースを介して周辺の住戸にゴキブリさんが拡散します。

せっかく自分の部屋を清潔にしていても、ゴキブリさんが来てしまうのです…。

マンションにお住まいでゴキブリさんが室内に出没する時は、ゴキブリさんが出歩かない日中、くまなく隙間を塞いで侵入を阻止しましょう。

業者の使用する専用のコーキング剤やボンドなどは無くても大丈夫です。

荷物用の布テープやマスキングテープ、金属たわしなど物理的に隙間を塞ぐことさえできればひとまず安心です。

■マンションにおけるゴキブリさんの侵入経路


①玄関ドア下の隙間(指をつめないよう安全のために隙間が設けられています)

②キッチンのシンク下、排水管と床面との隙間
※シンク下の配管が地下の雑排水槽または下水道へと接続しています。
配管と床面との隙間は意外と大きく、高確率でこの隙間から侵入します。

③トイレの換気扇の隙間または便器と床の隙間
※トイレは便器に接続する汚水配管が地下へと接続しているためゴキブリさんがこのパイプスペースを利用して這い上がり、便器と床の隙間や隣接する換気扇ユニットの隙間から室内へと侵入します。

④エアコンの室外機と接続するドレン配管と壁との隙間
※賃貸マンションの場合、これまでに複数回に渡りエアコンをより省エネな機種へと取り替えている場合があり、エアコンの大きさによってドレン配管の位置も変わるため、壁を大きく開口している場合があります。
通常、ドレン配管と壁との隙間はパテや粘土、テープなどで封鎖されていますが、経年劣化による硬化や破れなどにより隙間が空いていることが多々あります。

また工事の際には、配管の穴に「貫通スリーブ」が必ず入れられていることを確認しましょう。格安の工事などでは、このひと手間を省略する業者が多いので、しっかり確認してください。これが無いと外壁と内壁の間を登って来た虫の侵入がたやすくなります。

補足:排水ドレインの防虫キャップは必要?

よく言われる、「排水ドレイン」からの、室内への虫の侵入は、施工の標準書通りに排水ホースの出口が地面についていなければ、ほぼありません。地面についている場合は先端が地面から5~10cm離れるように切断する必要があります。排水ドレインの先に防虫キャップをつけるのは、配管内に蜘蛛の巣が張られる・虫が詰まる、などで排水が妨げられることを防ぐためです。

またエアコン設置業者に聞いたところ、防虫キャップを取り付けると、排水とともに流れてくるホコリやゴミが詰まりやすく、室内側で排水があふれて漏水を引き起こす事故が起きるようです。特にお掃除機能付きのエアコンは要注意で、こまめな点検が必要、とのことです。結構な頻度で漏水修理の依頼があるようですのでご注意を。



⑤ベランダ、バルコニーの雨樋
※マンションの立地が繁華街に近い場合、特に警戒が必要です。
地域一帯のゴキブリさんの密度が高いと、通常見かけない雨樋もゴキブリさんの住処と化します。雨樋に接続する各住戸の排水口は一般的に大きく開口しているため、金網を被せたり網戸用の網で覆ったりしてゴキブリさんの這い出しを阻止してください。

おおむね上記の5箇所を確認して問題なければ、室内でゴキブリさんと遭遇することはないのでは…と思います。

一階や地下併設の飲食店にご注意

なお、マンション1階や地下に飲食店を併設している物件は、住戸のみのマンションよりもゴキブリさんとの遭遇率は高まります。
飲食店さんがゴキブリ対策を万全にしていても、どうしても料理の美味しい匂いに誘われてゴキブリさんが寄ってきてしまうのです。

マンション全体で一斉対策がベスト!

理想的な対策方法は、飲食店さんのみならず、マンション全体で「ゴキブリキャップ」を全戸に設置することです。

ゴキブリキャップ」は誤飲防止シェルターに格納されており、どなたでも安心してご利用頂けます。また、殺虫剤抵抗性が発達せず食べ飽きしないため、長期に渡ってゴキブリさんの繁殖を阻止できます。

もともと「ゴキブリキャップ」は、岐阜県池田町の地域一斉防除で脚光を浴びたのが始まりなので、みんなで使うのに適しているんです。

また屋外用ケースを利用すれば、安価に玄関やベランダなどの外からの侵入にも対策ができます。

マンションオーナー様や管理会社様、管理組合様に自信を持ってお勧めします。

ゴキブリキャップ」で一斉防除! マンションなら実現できるゴキブリさん対策です。

のぞき見るゴキブリ画像