虫の世界をプロが教えます!
毎月5日は虫コラム。あなたの知らない虫の世界をプロが教えちゃいます!
戦国武将の旗指物(馬印) はゴキブリだった!?
※ 旗指物(はたさしもの)または馬印(うまじるし)と呼ばれ、戦の最前線で敵味方の馬を瞬時に見分けるための目印として掲げられた旗のこと。実態に反して脚光を浴びたムカデさん
実態に反して脚光を浴びたムカデさん
ムカデさんは驚くと全速力で走り去ります。
また、落ち葉や生い茂る雑草の中にも躊躇せず突入していきます。
そんな強引に突き進む「前進あるのみ!」な姿から、ムカデさんは力強い縁起の良いムシとして、特段、戦国武将に好まれました。
ヒトを咬み危害を与えるムカデさんがその害悪に反して崇められたのは、ムカデさんは「後退しないもの」と信じられてきたためです。
実際には、ムカデさんは前進のみならず後退も右左折も、そして旋回も行います。
決して「前進あるのみ!」ではないのです。
普通に停止、後退、右左折、旋回します…。
正真正銘「前進あるのみ!」なゴキブリさん
本当に「前進あるのみ!」なムシは、ムカデさんではなくゴキブリさんです。
ゴキブリさんは足の構造上の理由により後退できず、本当に「前進あるのみ!」です。
「後退しないこと」を美徳としていた戦国時代にゴキブリさんの生態が深く知られていたら、
かの有名な戦国武将の旗指物(馬印)はゴキブリの絵図だったに違いありません。
また、戦の神様として知られる「大黒様」のように、神社の本殿に「御器齧様(ごきかぶりさま)」として祀(まつ)られていたかも知れません。
古来より万人に忌み嫌われてきたゴキブリさん…。
せっかく歴史に名を残すチャンスだったのに…残念です。
ゴキブリさんの勇ましい姿が描かれた戦国武将の旗指物(馬印)。
想像すると…微妙ですね…。
そんなびみょ~な立ち位置のゴキブリさんにはタニサケの「ゴキブリキャップ」を、
そして実態と異なるものの脚光を浴びたムカデさんには、タニサケの「ムカデンジャー」と
「置くだけムカデンジャー」を慎んで献上いたします。
現代では遜色なく忌み嫌われる両種の有害生物に、ぜひ一度、お試しください。
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