あなたの知らない
虫の世界をプロが教えます!
タニサケの コラム

毎月5日は虫コラム。あなたの知らない虫の世界をプロが教えちゃいます!

思春期のゴキブリくん風と共に去り~ぬ

ゴキブリ

ヒトの眼にはどれも同じに見えるゴキブリくん…。
実はゴキブリくんにも、ちゃんとモテ、非モテがあるんです。

◇モテない君◇

思春期を迎えたゴキブリくんはヒトと同じく身なりを整え、丁寧に毛づくろいしてテカッとオイリーに決めます!
「テカっ!どう? 今日の俺、いつもよりオイリーだぜ!」
準備万端で気になるあの子をフェロモンを頼りに探します。

「みぃ~つけた! こんなところに居ちゃ危ないよ!」 (…お前が一番厄介…)
「ちょっとだけ俺に時間くれる? 」 (…ウザ&上から…)
「俺のこの鍛え上げられた背中、見てくれよ!」(聞いてないし)
「どうだい? 脱いだら凄いんだぜ! …俺!」 テカッ!

こんな感じに思春期のゴキブリくんはメスゴキさんから発せられる性フェロモンに誘引されて接近し、触角でメスゴキさんに触れてゴキ違いか否かを確認します。 (…見てわからんのか?!)
そしてゴキブリくんは意を決してメスゴキさんの前に立ち、翅(はね)をほぼ垂直に開いて背中の筋肉を見せつけます。
あなたのそばにもきっといる…隆々な腹筋を見せびらかす某メンズとほぼ同じ行動…おそらく下心も同じです…。

「…ちょっと邪魔なんだけど、どいてくれる?」
「あんた論外だから…。さよなら。」

全身全霊で挑む求愛行動は必ずしも成就するとは限らず、あっけなくプライドもろともボロ雑巾の如くズタズタに引き裂かれることも多々あります。
それでもめげない、怯まない、バックできない、常に前向きなのがゴキブリくんなのです。(いや~見習いたい!)
実際には、ゴキブリくんの全力の求愛パフォーマンスはメスゴキさんに全力で無視されます…。
ポツンと一匹…ゴキブリくんは独りで背中を丸出しにして、引くに引けないパフォーマンスを続けるのでした…。
風と共に去りぬ… 空しい風がゴキブリくんの背中を吹きぬけていくのでした。

イケゴキの場合

これがメスゴキさんの好みのイケメンだった時、話は180度変わります。

無駄なく鍛え上げられた背中と輝きを放つ身体!
K-POPばりに洗練されたパフォーマンスに一目惚れしたメスゴキさんは、メンズに引き寄せられるように近づいて背中にKiss!
そのままゆっくりとメンズにエスコートされながら結ばれるのです。

求愛のヒミツ

実は背中には秘密があって、なんとオスゴキは背中からオリゴ糖と脂質を分泌するのです。

イケゴキはわかってる!見た目も大事だけど、やっぱプレゼントを欠かさない!全生物の福音ーそれは「脂と炭水化物」だね、やっぱり。

正式には「婚姻贈呈」と呼ばれるもの。そう!ゴキはウエディングケーキを背中から出します!!このスキル、あなたもメモって明日からパクりましょう!

ゴキブリ界の恋愛事情もヒトの世界とおおむね同じ。
やっぱりイケメンは経験豊富でスマートなんです。

ファビュラスでアメージング(非常にすばらしい)なメンズの求愛パフォーマンス。
自己満な痛いパフォーマンスとはワケが違うんです…。

ゴキブリくんにはモテるための努力が必要です。
非モテのメンズは、ゴキ一倍努力しないとダメなんです!

ま、どちらのゴキブリも食欲については旺盛ですから、「ゴキブリキャップ」で一網打尽!

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