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タニサケの コラム

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百足(むかで)さん… ほんとに百本も足あるの?

ムカデ

■ 百足とは「足がたくさんある生き物」の意

百足(ひゃくあし)と書いてムカデと読みます。

足がたくさんある生き物という意味で名づけられたムカデさん。

家に侵入したり、人を咬んだりする、普段よく見るムカデの多くは、実は100本も足はありません。

足が42本(計21対)しかありません。”しか”、というのも変ですが・・・・

実際に足が百本あるムカデさんは居るのか居ないのか?

答えは… ちょうど足が百本のムカデさんは居ません!

足が百本近くあるムカデさんや百本以上あるムカデさんなら居ます。

■ ほんとに足の多いムカデさんの仲間 「ジムカデ」

足が百本前後から百本以上あるムカデさんの仲間はジムカデ(土百足)と呼ばれています。

ジムカデさんは種によって足の数が異なり、31対(計62本)~181対(計362本)まで実にさまざまで、ほんとに足が多いのです。

足がこれほど多いとムカデさんではなくヤスデさんの仲間に入りそうなものですが、ジムカデさんは捕食性(肉食性)のためムカデさんと同じ仲間に分類されています。

ジムカデさんは落ち葉の中でトビムシなどの微小昆虫類を襲って食べて生活しており、ヤスデさんは腐植食性のため森の中で落ち葉を食べてのんびり暮らしています。

■ 日本最古の物語「竹取物語」にちなんだ名前をもつジムカデさん

ジムカデさんの中でも素敵な名前のついたジムカデさんがいます。

それは、こちら↓↓
ジムカデ目 ナガズジムカデ科 カグヤヒメジムカデ(輝夜姫土百足)
学名; Nannarrup innuptus Tsukamoto, 2022.

2022年に新たに登録された新種のジムカデさんで、足が41対(計82本)あります。百足そのものではありませんが、漢字のもつ印象通りの姿をしています↓↓

新種ジムカデの画像

出典; Nannarrup innuptus sp. nov., paratype (TS20210503-02) A habitus (provided by Dr Namiki Kikuchi) A:背側の写真 B:腹側の写真

Nannarrup innuptus(和名:カグヤヒメジムカデ)はメスのみで繁殖する単為生殖種と考えられるため、 学名には「未婚の」という意味のラテン語 innuptus(イヌープタス)をあて、和名は、求婚を受け入れることなく月へと帰っていった 「かぐや姫」にちなんで命名した と報告されています。
※ 2022年08月22日 法政大学HP お知らせより
「東アジア最大のオオムカデ類の新種を発表した研究グループが、今度は世界最小級のジムカデ類の新種を発表」


体長9mm前後の小さな小さな単為生殖のジムカデさんに「かぐや姫」と名付けるセンスが秀逸です!

このジムカデさん、素敵な名前をもらって幸せ者ですね。

ちなみに、このカグヤヒメジムカデさんは、本州・四国・九州に分布するとされているため、もしかすると意外と近くの神社や公園にも居るかもしれません。

ジムカデさんの口はとっても小さく、ヒトや動物を咬むことはできません。
大きなムカデさんの様に咬まれて痛い目に遭うこともありませんので、どうぞご安心ください。

■ 足が21対(計42本)の大きなムカデさんの対策

タニサケの「ムカデンジャー」「置くだけムカデンジャー」は、咬まれるととっても痛い、大きなムカデさんを遠ざける天然由来成分のムカデよけです。

大きなムカデさんが家に入ってきて怖い…そんな時は、ぜひ一度、お試しください。