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タニサケの コラム

毎月5日は虫コラム。あなたの知らない虫の世界をプロが教えちゃいます!

咬む咬むエブリバディなムカデさんに潜む本当の怖さ

ムカデ

■ ムカデさんには みんな咬まれる◇

言わずと知れたムカデさん、老若男女を問わず、エブリバディ(みんな)咬まれます…。
そんな傍若無人なムカデさんには、あろうことか毒があるのです。
頭の先にある一対の大きな毒牙、これで相手をフルMAXな力で咬むのです…。
桃の節句を迎え梅の花が咲き誇る頃、ぼちぼち冬眠から覚めて活動再開の身支度を始めます。
今年は春の訪れが例年より早いようなので、我が家もぼちぼち侵入対策を始めようと思います。

■ ムカデさんの毒

ムカデさんの毒には血液中の赤血球を破壊する溶血性タンパク質のほか、
・アレルギー症状を誘発するヒスタミン、
・病原菌を増殖させる作用を持つプロテアーゼ(タンパク質分解酵素)
・急性の血管性浮腫(ふしゅ)を引き起こすヒアルロニダーゼ(ヒアルロン酸分解酵素)
・精神バランスに影響を与えるセロトニン

など、多くの生理活性物質(いわゆる毒素)を含んでいます。
しかもムカデ毒のアレルギー反応は、スズメバチやアシナガバチ、そしてミツバチと同様に強く、時としてアナフィラキシーショックなど重篤な免疫反応も誘発します。
これだけでも充分に危険なのですが、それ以上に問題なのが毒牙についた「菌」です。

■ 汚れたままの毒牙

ムカデさんは毒々しい見た目に反し、実は綺麗好きです。
いつもヒマさえあれば全身を丁寧に舐め回しながら身体を清潔に保っています。
ただし、頭の先についた毒牙には口がどうにも届かないため、やむを得ず放置してます…。
意外と潔癖症なところを見ると、きっとめっちゃ気にしてると思います…。
毒牙には獲物の体液やカビや細菌などさまざまな汚れが付いたままです。
この放置された毒牙に、実は深刻な危険が潜んでいるのです。

■ 致死率の高い破傷風(はしょうふう)

ムカデさんは土の中に潜っていることが多いことから、懸念されるのが破傷風菌です。
「破傷風」は致死率の高い感染症として古くから知られており、現在もなお毎年100人前後が発病し5人前後の死者が報告されています。
咬む咬むエブリバディなムカデさんに潜む本当の怖さとは、毒牙に付いているかもしれない破傷風菌なのです。
万一、ムカデさんに咬まれたら、すぐに傷口をよく洗い流して、最寄りの病院に「破傷風トキソイド」の投与についてご相談ください。
ムカデさんに咬まれてから数日内に発熱や顎(あご)の開閉などに支障をきたす症状が出た時には、決して放置せず必ず病院を受診してください。
虫毒アレルギーや人獣共通感染症は、他の一般的な病気と誤診されやすいため、必ず「ムカデに咬まれてから発熱した」など体調不良や違和感の経緯についてできるだけ詳細に医師にお伝えください。

■ ムカデさんの予防対策

破傷風に感染リスクの潜むムカデさんを寄せ付けないために、タニサケの「置くだけムカデンジャー」と「ムカデンジャー」をおすすめします。

ムカデさんの婚活シーズンを迎える5月までには勿論のこと、気温の上がり始める今から侵入対策を始めましょう。