害虫対策マニュアル

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ナメクジの退治マニュアル

ナメクジ

ナメクジ

雨の日の招かれざる来訪者。歩みの遅さに油断していると、植物の新芽(しんめ)は食い散らかし、イチゴが熟せば真っ先にかじる無法者です。そしていまいましい銀ラメ色の足跡。庭にいて良いことなんてあるのでしょうか。
実は、カタツムリが進化したら、ナメクジになったそうです。どっちもどっちですが。

ナメクジ対策 Q&A

ナメクジの被害を受けないためには・・・・

ナメクジに荒らされないためのポイントは次の2つです。
①ナメクジが過ごしにくい環境を作り出す
②粒剤などで対策する

ナメクジが過ごしにくい環境とはどんな環境なのでしょうか?
下の項目をチェックしていきましょう!
また、弊社コラムもご活用ください!

Q

ナメクジの被害にはどんなものがあるの?

A

多くは植物に対する被害ですが、直接人間の健康への危険性もあります。

  • 最も多いのは植物に対する被害
    一生懸命育てた植物たちをヤスリ状の歯舌で作物の葉や茎を削り取るように食害してしまいます。特に新芽はナメクジの大好物で、食害を受けた結果、その後の成長などに悪影響を及ぼしてしまいます。
  • 粘液はナメクジのレッドカーペット 家の周囲を粘液だらけに
    また、ナメクジは乾燥から体を守るために、移動の際は粘液を出し、その上だけを移動します。まるでレッドカーペットを歩くセレブのように。しかし、その粘液が乾くとテカった跡になり、不快感、不潔感を与えます。
  • 最も怖い影響 寄生虫の存在
    人間への直接的な被害としては、ナメクジに寄生している「広東住血線虫」による被害があります。広東住血線虫は、ヒトの体内に入ると脳や髄膜に侵入して髄膜脳炎を発症させることもある大変危険な寄生虫です。日本での症例はあまり多くないものの、外来種が増えた現在、注意が必要です。触った後は手を洗いましょう!
Q

ナメクジは何の仲間?どんな種類がいるの?

A

貝の仲間です。日本で良く見られるのは5種類ほどです。

貝の仲間ですが、貝殻はすでに退化し、空気中で呼吸できるようになった動物でカタツムリと同じ仲間です。さらに、殻を作る栄養を成長にまわし、早く成長して子孫を多く残すよう進化し、成功したのがナメクジです。カタツムリの進化系がナメクジとは、意外ですね。
日本でよくみられるのは、在来種の「フタスジナメクジ」、「ヤマナメクジ」、外来種の「ノハラナメクジ」、「マダラコウラナメクジ」、「チャコウラナメクジ」です。ヤマナメクジは体長20cm以上の個体もいます。

フタスジナメクジ(在来種)

フタスジナメクジ(在来種)
  • 体長は40~50mm。体色は灰色から茶色。
    背部に明瞭な3本の線が入り、すべすべした質感 昔からよく見るナメクジ

ヤマナメクジ(在来種)

ヤマナメクジ(在来種)
  • 体長は100~200mm。
    フタスジナメクジと似ているが、小型の個体は背部に斑点模様がある

ノハラナメクジ(外来種)

  • 体長は20mm程度。体色は濃いネズミ色で、体の前部背面が甲羅状

マダラコウラナメクジ(外来種)

マダラコウラナメクジ(外来種)
  • 体長は約150mm、巨大でグロテスク
  • 体色は灰褐色~茶色または黄色がかった白色。黒の斑がある。

チャコウラナメクジ(外来種)

チャコウラナメクジ(外来種)
  • 体長は50~70mm程度。
  • 体色は淡褐色で、甲羅部~尾部背面に、灰黒色の2本の縦筋模様を持つ。
Q

ナメクジはどんなところにいるの?

A

湿った日陰が大好きです。

草むらや落ち葉のあるところ、木の隙間、朽木など、湿った場所や日のあたらない場所であればどこにでもいます。植木鉢やプランターの下なども絶好の住みかです。
畑や家庭菜園などがある場合は、畑や植木鉢の土でもよく見つかります。

Q

ナメクジはいつ活発に動くの?

A

ナメクジは4月~6月、9月~10月に最も活発に動き回ります。

日中は光や乾燥を避け、湿った場所に隠れて、夜間や雨の日に活動しますが、低温および高温で共に活動が鈍くなるので、4月~6月、9月~10月が最も活発な時期です。

Q

ナメクジの出現を予防するには?

A

ナメクジが生存しにくい乾燥した環境を作りましょう。

ナメクジは湿った場所を好んで生息するため、風通しが良く乾燥した周辺環境を作り出すことが予防に繋がります。具体的には、雑草を刈り取る、植木鉢やプランターを台の上に置くなどが効果的です。

Q

ナメクジが出現してしまったらどうすればいいの?

A

周辺の環境の改善と、毒エサ剤などを使用して駆除しましょう。

ナメクジによる被害が出てしまったら、近くにナメクジの住みやすい環境がある証拠です。動きの遅いイメージのナメクジですが、意外にも1日の移動距離は4mに及ぶこともあります。被害にあった場所の周辺も確認してみましょう。
ナメクジに効果のある毒エサ剤としてはリン酸鉄(Ⅲ)、メタアルデヒドなどを含んだものがあります。これらの毒エサ剤をナメクジやカタツムリのよく出るところにまくことで、駆除することが出来ます。ナメクジが盛んに活動する夕方に散布すると効果的です。粒が食べられなくなるまで散布して下さい。ただし、メタアルデヒド剤は、犬猫や野生動物にも有毒ですので、散布には注意が必要です。

Q

身近なもので駆除する方法は?

A

ナメクジは銅を嫌います。一方で塩は…。

ナメクジは銅イオンを嫌うため、植木鉢に裸銅線を巻く方法や、粘液で溶けてアルカリ性になる石灰などを撒く方法で寄せ付けないような対処ができます。また、ビールの匂いも大好きで、ビールを用いた誘引トラップも効果的です。但し、ビールにカタツムリを殺す効果はなく、ビールだけを置いておいてもカタツムリが酔っぱらうだけで、次の日になるといなくなってしまいます…溺れさせれば捕獲できますが、後片付けに難ありです。
これに対して、ナメクジに効果的なイメージがある塩は、かけると浸透圧でナメクジが小さくはなるものの、雨などの水に触れると復活してしまいます。ナメクジを実際に退治するのに必要な塩は大量であるため、周辺環境への配慮からもあまり良い方法ではありません…。

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