害虫対策マニュアル
Manual
CENTIPEDE
ムカデの退治マニュアル
ムカデ
第一印象が悪すぎる虫です。音もなく忍び寄り、強力な毒牙で、触れるもの皆噛み付く凶暴な振る舞いは、見る者の背筋を凍らせ、咬まれた経験者は激痛の記憶がトラウマになります。
けれど実はかなり繊細・臆病で、触れるもの何でも噛み付くのは、目があまり見えないからです。餌をとろうとする本能なのです。だからムカデにとっても出来るだけ人とは交わりたくないのです。
ムカデ対策 Q&A
ムカデの出ない環境を作る
害虫対策といえば「撃退方法」のイメージも強いですが、第一に家に寄り付かせないことが肝心です。
まずは、ムカデの生態を知って予防しましょう!
また、弊社コラムもご活用ください!
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ムカデの住みかはどんなところ?
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物置や倉庫など暗く湿った場所
一見、非常に丈夫そうですが、ムカデは乾燥に大変弱く、常に湿った場所を好みます。そのため、
- 家の近くに山や竹やぶ、小川と言った湿潤な環境
- 庭でも物陰や晴れた日でも湿っている場所の庭石や石垣・苔・草むらなど
に、昼間は潜み、夜間に餌を探して住宅へ侵入することが多くなります。
このような場所は除草する・砂を入れるなどして水はけのよい環境にしましょう。
また家の中でも物置や倉庫など暗く湿った場所があると住みかにします。
住みかを作らせないためには、そのような場所のがれきや廃材、薪や木材などを放置しないようにしたり、物置・倉庫などは通気をよくして荷物を整理しましょう。
また、長靴・手袋・雑巾などを屋外に置くのをやめましょう。適度な湿気がムカデの格好の住みかとなり、使用時に咬まれる、ということが発生する場合があります。
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ムカデはいつごろから活発になるの?
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春先と秋口です
ムカデは外気温15℃以上になると活発に行動し始めます。最も活発になるのは5~6月の梅雨時で、そのときに産卵をし、暑い盛りは石の下などでじっとしています。そして9月頃に再び活発に行動します。秋は卵から孵(かえ)った子ムカデが出没するようになります。春先にかけて家の周りの環境点検を行なって、「ムカデの侵入箇所は?」で紹介したような場所を減らすようにしましょう。
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ムカデの餌は?なぜ家に侵入する?
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A1:蛾やゴキブリなどの生きた虫。あとは水です。乾燥を嫌います。
A2:家に餌となるゴキブリなどの昆虫が発生している場合が多いです
門灯や窓の明かりに蛾などの虫が飛んで来ると、それを餌にしようとムカデもやってきます。また、ムカデはゴキブリが好物で、屋内にゴキブリなどの昆虫がいると、それを目当てに侵入します。恐らく匂いをたどってくるのでしょう。
そのため門灯や室内照明を虫の寄りにくいLED灯(電球色)に切り替え虫が寄りにくくする、屋内にゴキブリなどの虫がいない環境にすることも大切です。
もう一つ重要なのは、家の中に水飲み場を作らないことです。ムカデは非常に乾燥に弱く、餌を食べなくても数週間は平気ですが、水を摂らないと数日で死亡します。
家が乾燥していればそそくさと朝までにねぐらに帰りますが、水気があると一休みしてしまいます。家に長居させないためにも、植木鉢の皿に溜まった水はこまめに捨てたり、浴室や台所などの水周りを乾燥させる、濡れた雑巾などを放置しない、風通しのよい部屋にすること、などに気をつけましょう。特に濡れた雑巾や布巾を夜中放置し、朝片付けようとして噛まれた、という事例をよく聞きます。
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ムカデの侵入箇所は?
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軒下や窓・扉の隙間などあらゆるところから…。
ムカデはよほどつるつるした場所でなければ、どこでも登ることが出来ます。多くは軒下や窓・扉の隙間などから屋内に侵入しますが、意外にも天井から降りてくることがあります。ムカデが壁伝いに屋根付近の通気口などから侵入するためです。5mmほどの隙間(10円玉3枚重ねた程度)があれば入ってしまうので、そのような場所があれば塞ぐようにしましょう。
また次のような場所がムカデの侵入箇所です。- 台所…シンク配水管・勝手口
- 出入り口…ドアの下の隙間
- クーラー…排水口(パイプ)や、設置の際の隙間
- 風呂・トイレ…給排水部分
- 家の傷み…柱や畳の間の隙間
- 換気扇…閉まっていても隙間があることがある
- 網戸…レールと戸の隙間
- 屋根裏…通気口
- 屋根瓦…隙間や裏側に潜んでいる
ムカデに遭遇してしまった場合には
できれば遭いたくないムカデですが、遭遇してしまった際の対処方法も知っておきましょう!
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ムカデを見つけた時にはどうすればいいの?
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効果的なのは熱湯で退治!咬まれないように気をつけましょう
日常的によく出るようでしたら、手の届く範囲に火バサミを常備しておきます。見つけ次第、捕獲し屋外へ放り投げるか、頭を潰すなどしてください。最も効果的なのは熱湯で、かけると即死します。
殺虫剤を使用する場合、ハエ・蚊用のスプレー式の殺虫剤などは、ムカデに対して即効性が低い場合が多いです。ムカデ専用を使用しましょう。
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もしムカデに咬まれてしまったら…?
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熱めのシャワーを当てながら、やさしく毒を絞り出して応急処置を!
その後、体の変調があれば速やかに病院へ(特に体の小さい子供は要注意)万が一、ムカデに咬まれてしまったときは、すぐに42℃以上、できれば45℃程の熱めのシャワーを患部に当てましょう。そしてお湯を流しながら、皮膚内に注入された毒を絞り出します。
ムカデの毒には激しい炎症を引き起こす多くのタンパク質が含まれ、これが痛みの原因の一つです。これらタンパク質は熱に弱く、42℃以上で不活性化するので、熱いお湯による患部の洗浄が効果的です。処置が早く的確であれば、予後の痛みは劇的に減ります。
その後患部を冷やし、ステロイド含有の虫刺され薬を塗布するか、もし体調に異常を感じたら病院へ向かいましょう。体長10cmを超える大型個体に咬まれた場合、皮膚内へ注入される毒の量が多いことから、子供の場合は特に危篤なアレルギー症状、アナフィラキシーショックが出る可能性がありますので、迷わず病院へ行くことをお勧めします。
日本においては、ムカデに咬まれたことによる死亡例はありませんが、アレルギー症状により重篤な症状を引き起こすことがあるのでご注意ください。
ムカデ対策用品を知る
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ムカデ対策の用品はどんなものがあるの?
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侵入防止対策の薬剤。粉剤やスプレータイプがあります。
家への侵入防止には殺虫成分を含んだ粉剤がありますので、家の外周にまんべんなく撒くと効果的です。しかしながら動物を飼っている場合、誤って食べると危険な農薬成分を含んでいたり、鯉などの魚類には強い毒性を示す、ピレスロイド系の薬品が使われていたりしますので、使用場所はよく吟味しなくてはなりません。また粉剤は雨ですぐ流れてしまうので、こまめにまきましょう。
ただ、室内で使えるタイプの殺虫・忌避剤ではありませんのでご注意ください。
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ゴキブリ対策もムカデ対策に有効?
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効果はあると考えられます。
ムカデが家に侵入する大きな要因の一つに、餌となるゴキブリがいる、というのがあります。
実際に当社の実験室でムカデを飼育する場合、ムカデは好んでゴキブリを捕獲します。他の昆虫よりも栄養価が高いせいかもしれません。またゴキブリは特有の臭気を発散しているため、その匂いをたどり、侵入している可能性もあります。
また、ゴキブリが定着しやすい環境、湿気がある、適温であるなどは、ムカデにとっても快適です。部屋の荷物等を整理し、湿気が滞留しない環境を作り、またゴキブリキャップなどを設置して、ゴキブリがいない住環境を整えると、ムカデの侵入が減ると思われます。
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ムカデンジャーの液体スプレー製品と置くだけの製品のちがいは?
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液体タイプはサッシ下や玄関など、広範囲にまんべんなく効果を発揮。置くだけタイプは部屋の中への侵入経路に置くと効果的
液体タイプの成分は食品添加物・化粧品成分として使われるアルカリ性の水溶液と檜系の精油成分からなります(特許取得)。
【平成27年度岐阜県新事業分野開拓事業者認定事業】認定新商品5品の一つに選ばれました
液体ムカデンジャーの効果は約2週間程度ですが、繰り返し使用することで、より忌避効果が強くなります。
置くだけタイプは檜・松などの針葉樹精油とユーカリ由来成分などの精油成分をブレンドした天然由来成分が有効な成分となっている製品です。
ムカデの嫌う臭いを放出することにより、ムカデを寄せ付けません。
玄関や部屋の入り口、ベッド・布団周りに設置されている方が多いようです。
効果は約1か月持続します(使用環境によって前後します)