トップ > 害虫大百科 > 羽ばたいて“愛”を奏でる蚊の恋愛話

羽ばたいて“愛”を奏でる蚊の恋愛話

あっという間に血を吸って視界から消え去る小さな蚊…。

いったいどうやって広い空間から恋愛対象のパートナーを見つけているのでしょう ?



虫たちは様々な方法で好みの相手を探し出しています。

セミは大音響の鳴き声で、蛍は点滅する光で、ちょうちょは羽の色で、カブトムシは樹液の餌場で、蛾は妖艶な性フェロモンで…

それぞれが、限られた命を無駄なく生きるために、効率的な手段をもっているのです。



蚊は鳴きませんし、光りませんし、羽に色もありません…。

実は、蚊は羽ばたいた時に発する…

…あの…不快極まりない羽音で相手を見つけているのです…。



えっ!マジで!…悪趣味~! って思うのは人間だけです。

人間にとってはどうにも気になるあの羽音、蚊にはとても重要な役割があったのです。



夜になると耳元でプゥ~ウゥ~ンと聞こえるアカイエカ、1秒間の羽ばたき回数はなんと!600回!驚異的な速度で羽ばたきながら飛んでいるのです。

この時に出る羽音の周波数は450Hz前後、羽音は蚊の種類によって異なるため、間違えて他のメスに近づいて命を削る深刻なミスはありません…。



広い広い空間から小さな恋人を見つけるため、蚊のオスたちは羽音を頼りにメスを探し出し、求愛を申し込むのです。



蚊のオスたちは同種ごとに空中で集まり、お互いの好みを聞きあったり武勇伝を話し合ったりはしませんが、メスの羽音が判るよう私語を慎み待機しています…。
この婚活中の空中待機状態を、巷では「蚊柱(かばしら)」と言います。


蚊のオスたちは求愛の申込みも羽音を利用して行います。

毎秒600回の羽ばたきながらの空中待機、これだけでも大変ですが、メスの蚊の前ではなんと!毎秒1200回という超-高速で羽ばたいて“強さ”をアピールするのです。

空中で待機する無数のオスの中から、選ばれし強いオスのみがメスの蚊と交尾することを許される、実に厳しい恋愛事情なのです。



やはり…どんな生きものも「強さ」を求められるのです…はい…。

蚊のオスたちって…男って…切ないなぁ~…と思う今日この頃なのでした…。

一覧に戻る